GAOGAO 3rd ワイルドフォース 感想
GAOGAO 3rd ワイルドフォース(1994)
ブランド: フォア・ナイン
ジャンル: 獣的特徴のある人間、シリーズもの、冒険譚、SF
あらすじ
人の存在が遠い過去になり、誰も知らなくなった遠い未来。地上では変異体が街を築いて生活をしていた。風来坊のウルフィは樹海の中でラビィと遭い、神隠しの話を聞いていたラビィは動揺して騒いでいると二人は深い穴に落ちていった。二人は生き残るため周囲を探索していき、知っているものとは異なる太陽や空、そして身体を深い体毛に覆われた闇喰いという種族に出会う。勇者とされ、地下世界における変異体と闇喰い達の抗争に関わっていくことで変異体の歴史が明かされる。
シナリオ+キャラ
ワイルドフォースでは闇喰いという破壊に取りつかれた変異体が出てくる。地下世界における変異体と闇喰いの闘争の歴史、これに徐々に明らかになる人間と変異体の歴史が加わることによる関係の変化。変異体と闇喰いの関係がテーマだと思う。
主人公とメインヒロインのウルフィやラビィはもちろんの事ニースやブルー達準メインキャラたちも魅力に溢れていた。イリアも過剰なボケはともかく総合的には悪くないキャラ。
ウルフィがもともと旅をしていたこともあって視点が旅人に似ている。だからか冒険感が出て総当たりシステムにマッチした作品だと思う。しかし、自らが気になる所を調査しつつも基本はスムーズに進めたいという個人的な総当たりシステムの理想形と比べ、このゲームの総当たりは基本全ての選択肢を変化がなくなるまで選ぶ必要があり、総当たりシステムの自由度という良さを欠かすものだと思う。
前二作ではテーマが弱く行き当たりばったり感があったが、今作は地上世界の住人であるウルフィたちが地下世界において第三者ともいえるからか、この時代の地下世界についてはウルフィもプレイヤーと同じく知っていく側のキャラであるとともに、語られる歴史の重みはGAOGAOの1,2があるからこそ出てくる、シリーズものならではの良さ。シリーズものにおいては珍しく1,2,3とそれぞれ数百年たっているのも新鮮に感じた。繋がりが人物ではなく歴史ということ。
音楽
どれも素晴らしい。「can☆can☆can☆」みたいなコミカルな曲も「難産の緊迫」や「FIGHT」みたいな戦闘シーンの曲も「ETERNAL BLUE」みたいな物憂げな曲も大体良い。
総評
総評: B+(良作)
pc98時代の良作の一つ。ワイルドフォースをやる前にパンドラの森をやって欲しいし、ワイルドフォースをやり終わったらカナンをやって欲しいが、どれも高騰している上に珍しいので入手は厳しい。安く売ってたらぜひ買って欲しい作品。GAOGAOシリーズは各作品数百年離れているのでシリーズを揃えるのが厳しければこれだけでも良いと思う。
総当たりシステム以外はシナリオと音楽に優れ、絵も悪くない優等生な作品。共存テーマの作品や冒険譚が好きな人にお勧め。