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PARQUET(非18禁) 感想

PARQUET(2021)

ブランド:ゆずソフトsour

ジャンル: 近未来日常系

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 あらすじ(公式HP引用+α)

Brain-machine Interface とは、脳と機械を繋ぐ技術である。
BMIによって、人の記憶はデータ化が可能となり、世界に発展をもたらした。

そして、彼は造り出された。

複数の人間の記憶を混ぜ合わせ、新たな人間を造る非合法な実験によって。

他人の記憶しか持たない彼は“自分”に興味を抱き、“自分”を探して街に出る。
そうして訪れた街で出会った2人。

猫を思わせる涼やかな『茨木リノ』
犬を思わせる朗らかな『城門ツバサ』

彼女たちもまた、BMIの非合法な実験によって生まれた存在だった。

秘密を抱えた3人、“彼”と“彼女たち”の同居生活が、大きな変化をもたらしていく——

 「普通とは、自分とは」の答えを探しに街に出た主人公の伊吹カナトだが、自らを保証する手段等が無く、住まいを借りることも出来ずに途方に暮れていた。面倒に巻き込まれていたらツバサという少女に助けられ、成り行きでルームシェアを持ちかけられた。しかし、そこで目にしたのは城門ツバサがウィッグや服装を変えた茨木リノであるという事。そして彼女らは意識や記憶を別にしており、昼の時間はツバサが、夜の時間はリノが活動するという事であった。

 こうしてカナトはツバサやリノと日常を過ごしながらも、そのきっかけとなったBMIの実験や自らの過去について知っていく…。

 

シナリオ

シナリオはゆず専属?の天宮りつさん。つまりいつものゆずクオリティ。

 基本は日常を過ごしながらもBMI関連の事件が起き、そこに首を突っ込んでいくと過去の実験の手がかりを得るという流れ。

 ロープラだが、7hくらいボリュームがあり、ヒロインが二人に限定され、ヒロインの主問題が身体共有という一つに限られている事で普段のゆずソフトの共通+個別一人分(エロ無)くらいの密度は在ったと思う。本編終了後に見れるアフターでは各ヒロインの個別入り序盤っぽい糖分高めのシナリオが見れる。

 

キャラ+絵

 いつも通りのむりこぶ絵。というか今回はむりりんさん単独みたいだけど。やっぱりエロゲ業界のトップクラス。設定上身体のラインや顔とかは一緒で声優(東山さん)も一緒にも関わらず、別キャラとして認識できるあたり、上手い事演じ分けてくれたなぁという印象。

 あと主人公の外観について、発表後にアカギに似ているみたいな話を聞いて主人公の表情が出る度になんか作品に入り込みづらくなった。

 三吉さんは明羽さんで保護者的な立場の良いキャラだったと思う。主人公が街に出た後の社内での立場が気になったけど。まだ秘書とか言ってたけど別の誰かの秘書の片手間でカナトとの連絡を取っている感じかな。

 

・城門ツバサ

 頼れるような感じを出しつつ、美味しいもの好きという子供っぽさや下手くそなギャグという残念さを持つヒロイン。

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・茨木リノ

 クール系だけどチョロイ娘。最初はカナトに対して冷たいが、その優しさに付け込まれて一緒に過ごしていくうちに心を開いてくれる。最初と最後のギャップを楽しめるヒロイン。

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 公式あらすじの猫を思わせる、犬を思わせるというのはどこが?とは思ったが、最初から魅力を振りまいているツバサと一度懐いたら可愛さをふんだんに見せてくれるリノということで犬猫なのかな。 第一印象からは分からないなぁ。

 

OP等

PARQUET オープニングムービー - YouTube

 OPとEDの3Dモデルは15年くらい前のレベルでいつもよりも更に一段下がった印象。歌は良い。

 エイベックスの協力を得て製作した3Dモデルらしいけど、低予算のVtuberアバターっぽい感じ。OP、EDだけのやつなので予算をかけられなかったのだと思いますが。

 発表時のVによる公式実況とか全年齢とか新しい客層が欲しいのだと思うけど、CS業界で勝負するOPに採用する3Dモデルとしてはちょっと勝負にならないかなと。やるんだったらもっとガチな3Dモデルでやって欲しかった。これまでの2D絵を使ったOPはいかにもなギャルゲーっぽさがあるというのは分かるし、ギャルゲーっぽさをかなぐり捨てようとして捨てきれなかったこのOPに全く価値がないという訳でもないけど、これまでのギャルゲーぽいOPの魅力も減ってしまった気がする。

 

総評

総評: B(良作)

 いつものゆずソフト作品の共通と比べて気持ち面白かった気がするけど、やっぱりシリアス系の心情描写がなんか弱い気もする。それでも作品を一段上にしてくれるむりこぶ絵や東山さん、ころころ変わる立ち絵・表情のおかげかヒロインとの日常は並みのキャラゲーを凌駕してくれる。

 値段も2500とお手頃でボリュームもそこそこ。エロがない事に抵抗がないキャラゲー好きならやってみても良いと思う作品。

 

ネタバレ有感想

 まず黒幕というか、悪役について。またキチが現れたなぁと。キャラゲーだとこういうキチって中々いない気がするけど、ゆず作品はちょくちょくぶち込んでくる。今回の場合視覚ジャックとか、騒ぎの黒幕が実は身近な存在だったあたり神さまのような君へを想起させられるんだけど、こういうのも二番煎じというか作品の評価を堕としかねない所だと思う。

 そんなこといって作品のネタが制限されるのは良くないし、今回はトリックとかキチの動機とか違う点が多々あったのでそんなには気にならなかったけど、FAからのドラクリ、ユースティアからの天色とか他所からネタを持ってくるような噂を聞いた先入観によるものかな。ちなみに夜と昼でわかれるという事で自分が思いついたのはDestino。

 

 能力について、魂の拡張とかいう謎能力。最初に軽く説明があり、対黒幕の所でも説明があったけど、その根本が複数記憶融合という超技術の偶然の産物だからいまいち分からなかった。まぁ分かる必要はないけど、やっぱり黒幕と黒幕協力者を洗脳してのご都合主義を叶えるためか。キャバクラの件解決にも少し役立ったくらいでこのチート能力がそんなに活躍しなかったのは良かったと思う。

 

 本編について、ツバサが独自の身体を取り戻すことは手ごろな身体がないからリノに移植したとか言った時点で察しはついてしまうが、逆に道中の話はツバサの記憶を取り戻すことに集約していたことで最後別れが来るというところで都合よく用意したとしてもいつものご都合主義感は薄く、伏線回収という感じで良かったと思う。そのせいでツバサやリノの互いへの別れが薄まったし、クリスマスに自撮りによる演出があった分余計に別れの手前がそっけなく感じてしまったが。

 

 エロとか個別√について。アフターは二人が分離してからだったわけだけど中々良かった。どちらが三角関係勃発の口火になるかという違いがあるけど。ここでイチャラブ要素を補充してくれた。展開としてはリノ√が好きというかどっちのヒロインかで言ったら断然リノの方が好みなので。

 追加を期待するとしたらSteam展開後にR18パッチの配信かな。二人の過去もカナトの過去もまだ掘り下げようと思えば掘り下げられる下地は残っているので、ゆずソフトさんが個別√作ろうと思えば作れる気がする。