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アインシュタインより愛をこめて 感想

アインシュタインより愛をこめて(2020)

ブランド: GLOVETY

ジャンル: 青春物, SF

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あらすじ

 常に学園一の成績を誇り、しかし見下しがちな性格故に孤独だった愛内周太。だが夏前の試験で学園1位を有村ロミに奪われる。彼女は20年前に彗星が落ちて以来世界中で発症している彗星病という病気に対し魂というアプローチを提案する論文を出していた。彗星病により死が近い状態の周太は自らの直感を信じて彗星病治療を有村ロミに依頼する。すると条件として出されたのは科学特捜部の設立。部員には学年ビリの学生と周太が一目ぼれした学生を入れるという制限で部の設立を目指していく…。

 

シナリオ+キャラ+Hシーン+絵

 忍→唯々菜→佳純→ロミ→GRANDで攻略。GRANDはロミ√の続きのため続けてやることを推奨。シナリオゲーかキャラゲーかどちらかというとキャラゲーだがどちらにしても不完全な出来。キャラの好みは唯々菜≧忍>ロミ>佳純。

 ボリュームはミドルプライスくらい。短くはないけど、各個別+GRAND全てで物語の終わりが後味の悪いものであり、もう少し書いて欲しいという想いから短いという意見が多いのかも。あとロミが1シーンしかないのでHシーンのボリュームも少ない。ロミ1唯々菜2佳純3忍3シーン。さらにHシーンのテキスト量も凄まじく短い。

 公式HP(https://glovety.product.co.jp/)では「主人公とヒロイン達はめまぐるしく変わっていく境遇の中で、運命に翻弄されながらも、ささやかな幸せにたどりつくために、手を取り合って進んでいきます。」と紹介しているが実際は超展開に翻弄された末にBAD展開となり、最後にはBAD展開を全く打ち消せない焼け石に水レベルの幸せを見れるもの。一応唯々菜√は若干HAPPYENDでそこまでの流れも割と良かった。

 キャラは絵がきみしま青さんで一級品であり、声優さんも上手かったので十分に可愛かった。

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総評+一言

総評: C+(佳作)

 どの√も超展開を出してキャラゲー部分よりも出来の悪いシナリオゲー感を出して微妙にしている。というか理不尽な展開が多い。SFとしては途中までは出来が良かったが肝心なところでこの世界でのファンタジーによって解決というSFとしても出来がいまいち。架空の世界設定が唐突な展開で壊されると世界観づくりが適当という印象を受ける。

 

 本編関係ないが、豪華版特典冊子の片桐のヘアカット前の姿や心情は良い。そして予約特典ドラマCDでアーティスト名がGLOVETYや声優ではなく新島夕になっている謎。

 

 

ネタバレ有り感想

 各個別√では彗星機構という組織がむちゃくちゃやって周太が日常から外れる展開。

 忍: 前半は忍のお店経営を手伝うという王道であり、困難もお店経営関連や家族が関わる王道的なもの。ここは良かったとしても後半直前の妊娠という問題を置き去りにして、拉致られた末に命令で雑魚戦を延々繰り返して4年もたった後にロミの助けもあり解放され、忍のもとに戻る。ここでただ「お帰り」と言ってくれる忍の優しさは分かるが周太に感情移入してたら罪悪感から罵倒なり許してくれたりしてほしいわけでここで終わりはもやもやが残る。この先を見たい√1。というかこの先や4年後の忍の近況が分からなければ忍√の前半の意味が大分なくなっている。

 

唯々菜: この√がこの作品では一番ハッピーエンド。周囲からその存在を忘れかけているかと思えば実は周囲の人間全ての認知が誤認していて、実際は生霊のような立ち位置だった。現実の彼女はこの能力で精神を病んでいたが、周太がそれを解決し、自らの平穏と引き換えに唯々菜の能力を無効化して唯々菜を平穏の中に戻した。しかし唯々菜は平穏を捨て周太を救ったという話。

 実際は彗星機構から隠れて平穏に暮らしているかもしれないし、巫女はじめ機構に命を狙われ続け隠匿生活を強いられるかもしれない。考え方次第でどうとでも取れるEND。

 風呂場の洗ってもらうとこが良かった。

 

佳純: この√が一番日常っぽい√。共通まではサブヒロイン的な立ち位置だった猛も目立ってたのも印象的。ボクシングの試合で勝てない佳純の問題をメンタルによるものと特定し、これをサポートしていく話。割と最後の方まで普通のキャラゲーのようだったが、命をとるかアイデンティティをとるかで命を取り、知識記憶が失われてしまった物語。結局佳純のことを直感レベルでしか思い出せなかったが元の状態に戻りたいという前向きな終わりだったので限りなくHAPPYに近いBADEND。

 

ロミ&GRAND: 主人公の根幹に関わる7年前の出来事、そして彗星の正体等一通りの事が分かる√。しかし第二の主人公や巫女について説明を省きすぎた結果収拾をつけれていない感じになっている。魂と身体が1:1という関係で言うならロボ周太と子供周太に関する説明はもう少し欲しい。

 周太の魂が鯨に接続しロボ周太と子供周太という意識を投影しているとして、ロボ周太の意識によってアインシュタインに対して魂と身体が接続された状態で子供周太が存在していたのは子供周太はロボ周太が無意識にテレパス投影しているということ?それとも単純に魂を二つに分けたというトンデモ話?

 父も魂だけの状態で何年生き残っているんだとGRANDでの説明はどこに行った?という感じだけどどうなんだろう。魂身体1:1の関係を考えればアインシュタインだけじゃ説明つかないし(周太がアインシュタインと接続中父の魂はどこ行った?)、唯々菜√と同じく彗星機構が身体を保管してたとしたら(これも彗星機構の権力が強いという超ご都合主義設定によるけど)病院から連れ出して以降一度もアインシュタインは起動しなかったのかとか身体を残す理由とか叔父が知らなかった理由とか訳が分からないし。

 

 ロミ√のHシーンについても好きと改めて伝えて速攻Hして、終わったと思ったらH前の全く同じ構図でHなんてしていないかのようなセリフとともに何事も無かったかのように話が進んでいる。CS化する際に文章の削除だけで済むようにという勝手な思惑が感じられる。

 最後もロミは周太とは離れて暮らしているということですっきりしない。この先を見たい√2。

 

全体: 新島さんの作品ははつゆきさくらとナツユメナギサくらいしか最後までやれてないのですがアイこめのENDを見てみるとこういったスッキリしないENDしか書けない人なのかと思う。