Fearless] 感想
Fearless] (2002)
ブランド: Active
ジャンル: 妹ゲー+怪奇バトル
あらすじ
妹(静原七桜)と二人で暮らす主人公(静原安純)。安純は雨の中座り込んでいる少女(桜井柚)に出会う。そして翌日、人のいない路面電車で対面に座った彼女が近づいてきて助けを求めてきた。柚の兄(桜井綺更)の捜索依頼。無表情な彼女がかつては表情豊かだったことを知り、桜井兄妹の状況に共感してしまった安純は一人の兄として捜索を開始する。
綺更の失踪を含む学院で起きていた失踪事件。安純と柚が綺更の行方を追い、怪奇現象に遭いながらも失踪事件の真相に近づいていく。そして、鬼の伝承、綺更の裏の顔、魔術書に記された儀式、怪しげな旧校舎など様々な謎が明かされる。
シナリオ+テキスト
シナリオは枕流氏。Activeでねがぽじやhello again(未プレイ)を担当し、後にLeafへ移籍しtoheart2の由真や委員長√を担当し、鎖のメインも担当し、他数作を担当。同人でDestinoという作品も出していた。結構好きなライター。
内容としては超人的な安純が失踪事件を調査し、襲い掛かる幽霊や化け物、敵役の人間と戦う話がメイン。序盤は七桜や安純の境遇が語られ、七桜が安純にとってかけがえない存在としての描写がされ妹ゲー然としていたが、後半に行くにつれ戦闘描写がメインになっている。
leafを志望していただけあるのか、終盤に鬼の力で無双というのは痕を想起させる。 妹ゲーぽいところ、ヒロインを主人公の半身かのように描写するところはDestinoや鎖の恵、ちはやにも通じるところがある。一方、戦闘中など危機的状況においても少しだけギャグっぽい要素が含まれているところは、ねがぽじの天使戦や鎖に通じているかと思う。敵役が狂気をもった強者というのは鎖の岸田っぽいけど、狂気を楽しんでいるような感じや主人公に立ちふさがる感じは岸田に比べ控えめ。
テキストについて、心理描写も戦闘描写も良く出来ている。しかし、戦闘については状況を分かりやすく示すCGや立ち絵、戦闘エフェクトが非常に少ない。武器同士が接触する金属音や武器を投げたり振るった時の風切り音などが欲しかった。電車のドア事故のシーンとか正直良くわからなかった。ここらへんが改善されている鎖やDestinoに比べると戦闘シーンは劣って見える。
あと、ホラーぽい描写をたまに入れてくるがそれぞれに対する説明は少ない。
キャラ
桜井柚
無表情な少女。安純に対しツンケンしつつ(鎖の恵っぽい)、べったりしてくる所もある。たまに見せる恥じらいも良い。地味に動ける。安純の助けを得るために身体を自由にさせてるので、受け身っぽい。
静原七桜
明るい。安純たちの過去から安純を守ろうとするが主要人物の中では強者感少な目。一応格闘技の中でも実践的なテコンドーの実力者。安純に対し露骨にアピールしている。少しヤンデレのような気もする。我が儘な所があるが引くべき所は引いていると思う。
静原安純
基本は優秀な主人公。ハッキングや回析などプログラム関係に優れ、ピッキングなどの小技も持ちつつ博識で冷静沈着。格闘に優れ、暗器としての投げナイフに精通し、一通りの武器も扱える。文武両道な超人。鬼の血も持ち、血を見ると鬼気が暴走し人外の力を発揮するが、その後は呼吸困難な痺れなどまともに行動できなくなる。一方、思考に集中すると極度に周りへの注意が散漫になったり、非情になりきれず、それがきっかけでピンチを招いたりもする。
あと、図書館の少女は説明がほぼ無い。印象強い登場だったので多少でも説明が欲しかった。
絵+Hシーン
上記の通り、戦闘状況などを把握しやすくするためのCGや立ち絵が足りてない。一部の絵は顔のパーツがおかしかったりもする。質と量が不十分な感じ。HシーンのCGは2002当時でも平均以下だと思う。
おかずシーンというHシーン回想で見れるのは16。柚10、七桜5、柚+七桜1。このうちスカ1とこの16とはべつにグロいのが1つ。
音楽
SEが足りてない。BGMに関してはタイトル画面の曲は好き。 ボーカル曲は無し。
総評+一言
総評: B+(良作)
正直CGやSEも数的には足りているが、シナリオ展開が濃密なため、普通のエロゲと同レベルじゃ足りない。ホラーぽい要素を出そうとしてるのもあるが、それよりは戦闘描写に力を割いて欲しかった。
シナリオ、テキストは高水準だが、演出が不十分なため、メインに据えている戦闘部分にマイナス補正が掛かっているのはもったいない。演出面がしっかりしていたら名作として評価も高かったと思う。
痕や鎖、Destinoが好きな人なら気に入ると思う作品。
タイトルのおまけから行けるアクティブメンバーズというユーザー感想に対するコメント返しでは、ねがぽじFDに関する感想を扱っている。