幽世ノ災厄ト現世ノ戦姫～さやか篇～ 感想

幽世ノ災厄ト現世ノ戦姫～さやか篇～（2020）

ブランド: でぼの巣製作所

ジャンル: SRPG、巫女もの

作品概要

　神楽シリーズでお馴染みのでぼの巣製作所による完全新シリーズ？、幽世シリーズの第一作。神楽関係のキャラは出てこないし、絵師も神楽シリーズの山本和枝さんではなくGユウスケさん。

　この作品の一番の特徴は異種姦が一つも無いという事。これは長年の神楽シリーズで、でぼの巣製作所に染み付いた異種姦という特殊性癖を捨て一般向けしたと言える。この作品も何だかんだ野外緊縛とかややマニアックなプレイもあるものの、異種姦よりは一般向けである（個人の感想）。これでゲーム性のあるエロゲをやりたい初心者エロゲーマーにも手に取りやすい作品になったのではないかな。

あらすじ(公式ＨＰ引用)

時は現代、とある地方都市で――
不在がちの両親に代わって神社を切り盛りする 三室みむろ さやかは、幼馴染の柳原ハルと喋るもこもこ毛玉（うさぎ？）の神さまと平和に暮らしていた。

しかし、街を襲った地震を境に妖怪たちが出現し、平和な日常が崩れてしまう。妖怪が暴れ、人々が怖れる惨状に心を痛めるさやか。

神さまからこの事態をなんとかできるのは、退魔の力を持つ陰陽師の血筋であるさやかだけだと告げられる。
しかし退魔の力を使うには、男性とエッチなことをする儀式が必要となると言われてしまう。

「……私にしかできないことならやるしかないよね」

困惑するさやかだったが、持ち前の正義感から戦うことを決意する。

「こんなこと頼めるのハルくんしかいないから……お願い」

他に頼りのないさやかは、幼馴染みのハルにエッチな儀式の相手をお願いし、ハルもまた戸惑いながらも覚悟を決めて、エッチに望むことになる。

こうして退魔の力を得たさやかはハルや神さまと協力して、街の各地に現れた妖怪たちと戦うことになる――。

シナリオ＋絵

　上記のように、シナリオ上で妖怪が現れる度に、その妖怪との戦闘に備えて力を手に入れるためにエッチするという基本の流れのもとに妖怪が暴れる真相を確かめる話。黎明記シリーズと比べ3倍というボリュームらしいが、ほぼ無いみたいな黎明記と比べ奮闘記＋α分くらいはある。その＋α分として最序盤の導入部分でヒロインの性格が分かるエピソードなどヒロイン紹介をちょっと長くやってくれているので、神楽シリーズよりもとっつきやすい印象。また、奮闘記シリーズではエッチシーン以外は男視点だが、この作品ではエッチシーン以外もさやか視点で進行する。

　絵的には神楽シリーズとトントンだが、キャラの差でこっちの方が可愛く感じる。他人の笑顔のために、と奉仕タイプの性格と、「本気でやればできないことなんてない」という前向きで明るい性格。そしてでぼの巣作品らしく、Hシーンになったら簡単に堕ちてくれる淫乱少女。カッコいいところはカッコよくいてくれるのも良い。

　一方男キャラは奮闘記以上に空気で竿役以上の価値がないのは少し残念。

　シーン数は初H＋4×4段階のHシーンを選択し、4段階目のを複数見るとバッドエンドとしてそれ用のHシーンの合計18シーン

システム等

　霊神楽　奮闘記シリーズと同じくSRPG。というか、発売時期を考えると幽世シリーズのために造ったSRPGシステムを流用したのが奮闘記シリーズなんだと思う。

　奮闘記では自ターンに攻撃行動枠、移動行動枠、アイテム使用行動枠の3つ行動がとれる。しかし、このシリーズの場合、召喚する際に陣が残り、その陣からは攻撃行動枠を消費せずに使い魔を呼び出せる、召喚行動枠があるため奮闘記シリーズと比べてより簡単になっている。

　また、呼び出せる使い魔はシナリオ進行で行うエッチシーンの選択とその選択によって得られるポイント消費による強化で決まるため、わざわざ戦闘中に敵の捕縛を考える必要が無い。

　この作品はハードでもレベル上げなしで一発クリアできるくらいには簡単で、引き継いでの2周目以降は最上位妖怪を呼べたりと楽しみもありそうなものの作業ゲーにしかならなさそう。奮闘記の方はちょくちょくレベル上げしないとしんどかった。そういった点でもこちらの作品の方がメーカー的にも初心者向けで、奮闘記の方がやり込派向けという感じがする。

音楽

主題歌は幽世戦唄。この曲は幽世シリーズ通しての主題歌っぽいっけどカッコよくて良い。タイトルBGMとかも和風チックで作品とマッチして良い感じ。

「幽世ノ災厄ト現世ノ戦姫～さやか篇～」主題歌『幽世戦唄』 - YouTube

総評

総評: B(良作)

 　ヒロインが底抜けに明るく前向きで奉仕型、しかもエッチと好きになりやすい要素詰め込んで設定された上に、性癖的な初心者にも、SRPG初心者にも優しいでぼの巣入門エロゲ。この作品のシナリオの体たらくが無理なら近年のでぼの巣ロープラ作品は向いていない気がする。巫女やSRPG好きはやってみるのも有り。ヒロインが気に入れば購入で間違いない。

ユーザー登録をすると手ごたえのある追加ステージに挑戦できるようになります。ただし追加エロシーンなし。周回の楽しみ用。

　登録はブランドの公式HPのQ＆A参照。でぼの巣製作所 (debonosu.jp)

そういえば、この作品のヒロインである三室さやかのASMR作品含め、でぼの巣エロゲのヒロインASMRがいくつか出てました。

陰陽彼女(ヒロイン)さやか ～一緒に過ごす甘々な夜～ [でぼの巣SOUND] | DLsite 同人 - R18