エロゲ雑記

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誰彼 感想

誰彼(2001)

ブランド: LEAF

ジャンル: バトル

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 あらすじ(公式HPより引用)

 坂神蝉丸(主人公)はある日、目覚めると地下室で石造りの棺に閉じこめられていた。その上、身体の自由がまるで利かない。やがて仲間が棺の蓋を開けるのだが、様子がおかしい。突然蝉丸に襲いかかってきたのだ。偶然地下室に迷い込んだ女の子達がきっかけで窮地を脱した蝉丸は、その子達から驚くべき事実を知る。現在は蝉丸が生きていた昭和19年から50年以上の歳月が流れた、平成1X年であるという事実を。そして現れる、自分と同姓同名の老人。その老人は一体何者なのか。時間を超えてしまった謎を解くべく、蝉丸は調査を開始する。だが彼に襲いかかる、かつての僚友たち。その目的とはなにか。

 

 シナリオ+テキスト

 テキストについて。最もネタにされる感感俺俺は、感じている感情は違和感あっても誤字脱字程度。他の部分は本編やってたら違和感ない。普通のシーンでの文章も、蝉丸の古風で真面目なキャラを考慮すれば良い方だと思う。逆に、Hシーンで時々女性側に主観がいく際など、やたらと仰々しい物言いで、蝉丸だから許されるような古風な表現を地の文や女性側で使うのはよろしくない。

 シナリオについて。月代たちの初期好感度が高すぎる点は、月代の設定を考慮すればむしろ伏線なのかもしれんし評価が分かれると思う。中盤までは悪くないと思うので、問題だとすれば終盤だろう。
 そもそもこのエロゲは、同ブランドの痕と同様に攻略できる√の順番が決まっていて、いろんな√をやることによって物語の根幹に関わる謎が分かっていく方式である。痕でも思ったが、この方式は、各√では全ての問題が解決できていないという特徴がある。(記憶が曖昧だが)痕のとある√では戦闘が始まろうという場面で終わるという投げやりぶりだが、それでもなお許されるのはその√における主題については完結させてるからだと思う。
 しかし、今作のいくつかの√において、主題を完結させている最中に他の問題について、それを匂わせる文章を出し、ユーザーの意識をそちらに向けながらも√最後まで問題解決しないため、消化不良感が増している。余計な事、まぁ仕方ない事含め、その√で触れざるを得ない疑問についてはその√で解決すべき。
 最終的にわかる謎の説明量については意見が分かれると思う。個人的には許容範囲内だがもう少し説明があった方が良かったかも。

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システム

 このゲームでは通常のノベルタイプの他にSDと通常の中間のようなチップキャラを動かすアニメーション(チップアニメ)を要所要所で入れている。チップアニメで作中の動的表現を視覚的にして分かりやすくというのは、似たようなことを近年でもマルコと銀河竜がやっているのでアイディア自体は悪くなかったと思う。

 しょぼいと言われるチップアニメ。確かに出来は良くなく、これをメインとしてる時点で悪評は避けられない。しかし、まじアンの小ネタレベルに使っているチップアニメからは確かに成長が感じられる。歩いているシーンで立ち止まったり追いかけたり、動作を上手く表現できてる部分もいくつかある。
 チップアニメ自体は上記のように、完全に質が悪いかというと違うが、個人的にはアニメ導入箇所をどうにかできんかったんかなと思った。チップアニメを導入する箇所を動きの激しい場面に限定するかどうかについてである。上記したように、徒歩シーンなど動きの少なめなシーンでも表現としては良いこともある。だが、わざわざチップアニメを導入していると展開が大きく動くのではないかと多少ながらも期待するし、それが徒歩や会話だけで終わるシーンが多いと肩透かしを食らう。多分戦闘シーンと他のシーンで7:3くらいだと思うが、9:1か10:0くらいで良かったと思う。

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音楽

 音楽については、やや良いくらい。かなり良いBGMが一つ二つあることが多いLeaf作品群の中では悪い方だと思う。OPがエロゲに珍しい男性歌手。


 

 カワタさんの絵。絵については良いと思う。塗りがいつものLeafのとは違うがこれはこれで有り。カワタさんの描く男キャラはカッコいい。

 

総評

総評: D+(凡作)
 正直世間の評価よりは普通に面白い作品。盛り上がりに弱く、終盤も説明不足だったりぶつ切りのようなENDだったりと欠点はあるが500円くらいの価値は普通にある。カワタさんの絵と独特のチップアニメを楽しんだ者勝ち。