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蒼海に堕ちて 感想

蒼海に堕ちて…(1998)

ブランド: アリスソフト

ジャンル: 閉鎖空間

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概要

アリスCD(ver2.0)のゲーム&ユーザー作品の一つとして入っていたゲーム。

「PERSIOM  約束の集う場所」に同梱しているらしい。アリスCD単品ならワンコインで手に入るはず。夜が来る特典の2.02には入っていなかった。

 

シナリオ等

 海を旅していた青年は海に墜落してきた旅客機から一人の少女を救い出す。少女の過去とは?そして、広い海の上で狭い船内に二人、二人の関係は…

 ボリュームは2時間程度。シナリオライターは上田庄吾さん。あとがき曰く蒼海に堕ちては小説を想定して作られたそうだが、後の作品「妖精」でも小説っぽい文体であった。では両作品ともノベルゲームとしての文体に落とし込めてないから魅力は少ないのかというと、むしろビジュアルノベルスタイルがマッチし、shadeさん作曲の素晴らしいBGM2曲+無音が巧みに使われているのと、心理描写が素晴らしいことからどんどん物語に引き込まれていく。エロシーンでも引き込んでくるので、文章だけなら2020年代の作品よりもエロい。

 

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総評

総評:A-(名作)

 短編作品 としてはトップレベルの作品。何故か批評空間ではあまり評価されていないが、それはこの作品が短いとか劇的な展開が無いとかそういう事なのかと思う。しかし、少女の過去にはじっくりと積み重なったものがあるし、それは青年との関係でも同じく、心理描写がしっかりしているので劇的なものは合わないはず。そして短いのも船の上というテーマ上仕方ないというか、結局のところ、最後のあの終わり方も含めてこの作品にはケチつくような所は少ないと思う。短い都合上、アレ見たいこれ見たいとか後日談欲しいという気持ちは湧くが、じゃあいざそのシーンが入ったらと考えると作品としての収まりが悪いと思う。二人の物語はここで終わっているので。多少暗い部分もあるが最後は明るいのも良いと思う。

 ごちゃごちゃ言ったが纏めると、エロゲらしいエロゲだが、官能小説らしくもある独特の魅力ある作品。エロや古い絵に抵抗が無ければ見て欲しい、有っても出来れば見て欲しい名作。